福島イノベーション・コースト構想は、福島県浜通り地域を中心に企業・創業を支援する「Fukushima Tech Create(略してFTC)」というプロジェクトを行っております。当社は令和5年度のFTCの「先導技術事業化アクセラレーションプログラム」に採択していただき、先日無事にプログラムを終了することができました。

福島県イノベーション・コースト構想とは

福島イノベーション・コースト構想(福島イノベ構想)は、東日本大震災とその時の原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業を回復させるため、新しい産業基盤を浜通り地域に構築することを目的として2014年よりスタートした国家プロジェクトです。(詳しくはHPをご覧ください)

福島イノベ構想が掲げる重点6分野(廃炉、ロボット・ドローン、エネルギー・環境・リサイクル、農林水産業、医療関連、航空宇宙)を中心に、福島県内、あるいは全国から福島県を中心とした事業展開を志す企業・人を起業・創業フェーズで支援するのが、「Fukushima Tech Create」になります。

コアシステムジャパンは何に取り組んだの?

当社は今期で16期目を迎えるので起業フェーズのスタートアップではありませんが、チャレンジ精神は創業時から変わっていません。本プログラムでは、事業が本格化する「光ファイバー式水位計(i-Line WL)」をはじめとした当社製品シリーズの量産体制づくりに加えて、光ファイバーセンサーの特長を生かしたこれまでにない新しいカタチの「防災システム」の事業創出をかけたチャレンジを始めました。

以前、当社ニュースでご紹介したように、福島工業高等専門学校(以下、福島高専)と共同で、光ファイバーセンサーで計測した災害リスク情報を地区防災計画に反映させる、新たな取り組みを開始しました。災害警戒区域にある河川の水位や、傾斜地の隆起は、気象情報からは直接判断できません。また、国が運営する川の防災情報から主要な河川の水位を見ることはできますが、市が管理するような中小規模の河川水位を見ることができません。

災害警戒区域に住む住民は、災害情報を自らの眼で見て判断する場合が多いのが現状です。(”百聞は一見に如かず”というように、自らの眼で見て判断することはもちろん重要ですが、河川や傾斜地の様子を見に行って災害に巻き込まれる、といったリスクが付いてきます。)

当社は、福島高専・いわき市・地元企業の方々と連携し、光ファイバ―センサー(水位計:i-Line WL、変位計:i-Line AD)が地域の「虫の目」となって、災害リスクスポットの情報(河川の水位や、傾斜地の崩落につながる予兆情報)をモニタリングするシステムの実地検証を行いました。(下図)

地域防災向け「虫の目」防災システム:河川の水位情報や、傾斜地におけるコンクリート法面のひび割れを光ファイバーセンサーで見える化する

FTC成果報告会を終了

2024年1月31日~2月1日、いわき産業創造館で行われたFTC成果報告会に参加し、約半年間にわたる本事業の成果を無事に報告することができました。(不愛想そうに写っている人間が本記事の筆者です)

量産体制づくりに向けた地元企業との連携と、福島高専・市政と連携して実地検証まで行えたことを評価いただきました。当社スタッフも、さまざまな苦労はありましたが無事に終えることができて安堵しています。

プロジェクトが終了した現在も、今回の事業を次のステージに進めるべく来期の準備を進めています。当社のさらなる展開をお楽しみください!