日本のレーザー研究をけん引する代表的な学会であるレーザー学会の会誌「レーザー研究」において、ヘテロコア型光ファイバーセンサーに関する特集号が発刊されました。

ヘテロコア型光ファイバーセンサーの産業応用:地域防災システムイメージ

特集号のタイトルは「ヘテロコア光ファイバ技術が拓く光ファイバセンシング応用の新たな展開」。
1996年に基本構造が発明されて以降、物理情報(変位、圧力、加速度等)からケミカルセンシング、さらに産業界への実践的な活用事例が掲載されております。(特集号の目次はレーザー学会HPのバックナンバーでご覧いただけます)

本技術の発明者である当社代表取締役会長(CEO)の渡辺一弘氏(兼創価大学名誉教授)は、本技術の発明してから当社を設立し、大学発ベンチャー企業として学術界を出て産業界に挑戦を続ける今日までのリアルなエピソードを「開発秘話・裏話」として紹介しております。

また、当社開発部課長の山崎大志氏(※この記事を書いている本人)は、解説論文としてヘテロコア型光ファイバーセンサーの産業応用の視点に立った技術的インパクトと、屋外環境、特に水インフラにおける今日までの実証事例を取りまとめました。

光ファイバーセンサーに興味のある方だけでなく、大学研究を産業応用したい!と志す方々にとっても、何かしらの参考になればと思っています。宜しければぜひご一読ください。

ヘテロコア光ファイバーセンサーってなに?

ヘテロコア光ファイバーセンサーとは、コア径の異なる光ファイバー同士を接続することで、「光ファイバーの曲率形状によって光損失が一意に再現される」という性質を利用した、創価大学で世界で初めて発明された画期的なポイント型光ファイバーセンサー技術です。

一見、ファイバーをつなげ合わせただけの大したことのない技術に見えるかもしれませんが、髪の毛のように細くて柔らかいガラス繊維の形が変わるのを、連続的に、高い再現性(0.1%FS以下)で、かつ高感度(με単位の歪まで検出可)で反応するというのは非常にユニークな特徴です。(詳しくはこちらのページで紹介)

また、従来の光ファイバーセンサーの多くが高出力でコヒーレントなレーザー光を応用しているのに対し、ヘテロコア光ファイバーセンサーは格段に省電力のLED光源(+フォトダイオード)によって計測できます。結果として、計測装置の低価格化、小サイズ化、省電力化、それによるIoT化(省電力無線通信と組み合わせられる)を可能にしています。当社ではセンサー、コントローラ(計測・通信機)、アプリケーションまでを自社開発する「ワンストップ・ソリューション」によって、屋外/過酷環境でセンシング技術を導入したいというあらゆるニーズにお応えしております