(株)コアシステムジャパンは、”革新光ファイバーセンサー”でSDGsに貢献します

 わたしたちコアシステムジャパンは、世界的に広がる情報通信技術に満ち溢れた現代社会において、その一つのコア技術である「センサー」の革新から、持続可能な社会の実現に貢献していきます

 2015年9月にニューヨーク国連本部にて開催された「国連持続可能な開発サミット」において、人間、地球及び繁栄のための行動計画として、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」が掲げられました。このアジェンダは、「誰も置き去りにしない」という精神のもと、人間を取り巻く諸課題に対して包括的かつ遠大な視点に立ち、普遍的かつ変革的な目標を掲げています。このページでは、SDGsの4つの目標に関わる当社の取り組み事例をご紹介します。

   取り組み①:水力エネルギー事業における山間部・長距離の水位モニタリングシステム       

<目標7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに>

 SDGsの目標7では、すべての人々が安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保するための具体的目標が掲げられています。エネルギー産業において日本は、中長期的なエネルギーの安全供給を十分に確保しつつ、気候変動にも対応するバランスの取れたエネルギー創出への以降を目指し、火力発電のゼロ・エミッション化を推進しています。特に水力エネルギー事業では、急傾斜地の多い日本において、ありのままの自然環境を保持しながら水資源のもつエネルギーを活用できる小水力発電、さらにはマイクロ水力発電に注目が集まっています。

 わたしたちコアシステムジャパンは、埼玉県秩父市の地元企業によるFIT(固定価格買取制度)の事業収入を活用したマイクロ水力発電事業において、「山間部でリアルタイム・フィードバックが可能な長距離の水位モニタリングシステム」として導入されました。この技術は、送電設備のない山間部において従来の電気センサでは不可能な数百~数キロメートルの長距離データ伝送を可能とし、既往の水位計測技術と同等程度の導入コストで実現した初めての取り組み事例です。

マイクロ水力発電に導入した、山間部でリアルタイム・フィードバックが可能な長距離の水位モニタリングシステム

   取り組み②:高信頼センサーで、土木インフラの構造ヘルスモニタリングに貢献 

<目標11. 住み続けられるまちづくりを>

 SDGsの目標11では、包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現するための具体的目標が掲げられています。とりわけ日本において、高度経済成長期に建築された下水道、橋梁、トンネルなどの土木インフラの老朽化が加速度的に進む一方で、少子高齢化に伴う点検作業員の減少から、”少ない人員で膨大な土木インフラの健全性を診断・担保するための構造ヘルスモニタリング技術”が急務となっています。

 コアシステムジャパンはこれまで、ヘテロコア光ファイバ技術を活用した屋外シーンにおける構造ヘルスモニタリング・ソリューションを提案してきました。ヘテロコア光ファイバーセンサーの強みは、落雷・電磁的ノイズ、気温変化、腐食など、屋外環境で想定されるあらゆる外的要因に対して頑健で高い信頼性を担保できる計測システムを、既往技術に匹敵する価格帯で提供できる点です。また、電源が十分確保できない現場でも、最大数十kmまで延長可能な光ケーブル伝送、省電力計測方式によるバッテリー駆動、LPWA(省電力無線通信)との併用など、柔軟に対応することが可能です。設置自由度の高い、高信頼センサ―により土木インフラの構造ヘルスモニタリングに貢献します。

変位センサーでの橋梁支承部の状態監視実証のセンサー取付説明
変位センサーでの橋梁支承部のセンサー・計測器の取付け
長期モニタリングによる、・温度変位解析、・車両走行頻度分析、・固有振動解析
下水道管内の水位モニタリング

   取り組み③:海洋資源情報を測定する光ファイバーセンサーを提案

<目標14. 海の豊かさを守ろう>

 SDGsの目標13では、持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用するための具体的目標が掲げられています。特に海洋分野では、海洋堆積物や富栄養化を含むあらゆる海洋汚染の防止が目指されており、海洋環境を的確に捕捉するためのセンサーは必要不可欠です。

 当社のコア技術であるヘテロコア光ファイバーセンサーは、水圧や温度といった物理的情報を測定するメカニカルセンサーに加えて、pH濃度の測定や化学物質の検出を行うケミカルセンサ―への応用事例が報告されています。また伝送部には長距離通信に使われる石英光ファイバーケーブルを採用しているため、耐腐食性に優れ、リモート計測に長けています。コアシステムジャパンでは、海洋環境計測に向けたセンサーの技術相談を承っております。

  • Seki, Atsushi, et al. “A hetero-core structured fiber optic pH sensor.” Analytica chimica acta 582.1 (2007): 154-157.
  • Iga, Mitsuhiro, et al. “Acidity measurements based on a hetero-core structured fiber optic sensor.” Sensors and Actuators B: Chemical 96.1-2 (2003): 234-238.
  • 佐々木博幸, 関篤志, and 渡辺一弘. “ヘテロコア光ファイバ型 SPR センサを用いるエタノール中ガソリン濃度の測定.” 電子情報通信学会技術研究報告; 信学技報 111.448 (2012): 11-14.
海洋資源調査への光ファイバーセンサーの適用イメージ

   取り組み④:樹木生長センサーによる環境分析・森林監視

<目標15. 陸の豊かさを守ろう>

 SDGsの目標15では、陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処並びに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止するための具体的目標が掲げられています。日本は陸地全体面積の2/3が森林と言われていますが、樹木の肥大生長計測は、森林管理や林業での利用のほかに、二酸化炭素の吸収による森林の炭素固定量の予測や、降雨、土壌水分量、気温といった森林の環境要因の分析にも活用されます。

 当社では、コア技術であるヘテロコア光ファイバー式変位計を応用し、屋外環境の変化に左右されることなく、目視では分からないμm単位から幹周の増加・減少度合を計測できる光ファイバー式デンドロメーター(幹周計測器)を開発し、通年にわたる幹周生長モニタリングに成功しました。さらに、電源が確保できない屋外での長期的な計測を想定した計測システム全体の省電力化にも挑戦し、市販の乾電池でも数か月間駆動する低消費電力の光ファイバー計測システムを実現しています※。

※2022年9月までに計測・通信回数ごとの消費電力を1.5mWh/回(LTE通信の場合)、0.03mWh/回(LoRa通信方式)まで省電力化に成功しました

光ファイバ式デンドロメータによる通年幹肥大生長の計測(創価大学構内で実施)