光ファイバー水位計による水力発電所の貯水タンクの長期間リアルタイム測定

ここでは、秩父のマイクロ水力発電所の貯水漕に、光ファイバー(ヘテロコア式)水位センサー「i-Line®-WL01」を取り付け、長期間のリアルタイム水位計測を実現させた事例をご紹介します。

センサーの設置

山奥の貯水タンク側へのセンサーの設置

山奥にある貯水タンクに水位センサーを設置、水力発電用の導水パイプに沿って、光ファイバーケーブルを配線していきました。

麓の発電所の制御システム側へのセンサーコントローラーの設置

水位センサーで検出した水位データを水力発電システムに入力し、発電所の水流量をコントロールさせました。

なぜセンサーに無線モジュールを取り付けて、麓の発電システムにデータを送らなかったのか?

 このシステムの場合、長距離で省電力の無線通信「LPWA」でのデータ伝送も考えられます。今回も、プライベートLoRAを利用する検討も行いましたが、「リアルタイム」「長期間」での計測という事が必要だったため、バッテリーと通信頻度の制約からLPWAを使う事は適していませんでした。
 光ファイバーでデータを検出できるセンサーは、そのデータを光伝送することが可能です。今回のように、安定的な電源の確保が難しい場所で、長期間・リアルタイムにデータを計測したい場合、光ファイバーセンサーが有力な選択肢になります。
 尚、電気式の水位センサーで同じことをしようとした場合、送電ケーブルでの電圧降下、ノイズなどによりセンサーのデータ精度の保証が出来ません。

光ファイバーを利用したセンサーには、上記のような長距離伝送という特徴に加え、電気を利用したセンサーで課題となる、落雷・サージ問題、耐電磁誘導性問題、引火などの安全性についても克服できるという特徴があります。詳しくは、こちらの「光ファイバー(ヘテロコア方式)の特徴」のページをご参照下さい。